二話
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「………そうか………」
六番隊詰め所、隊首室で六番隊隊長である朽木 白哉が書類を広げていた。
机を挟んだ反対側に が大人しく立っている。
ペラ…と持っていた書類のページを捲る。
「お前が例の新入りか…………」
………………例の?
少し気に掛かったが、知ってどうと言うわけでもないので口には出さない。
黙って起立していると白哉が書類を閉じ、静かに机に置いた。
「 」
名を呼ばれ、 は白哉を見る。
白哉はスクッと立ち上がる。
「兄に初仕事を与える」
「……………内容は?」
白哉は無言で、隊首室の扉に手をかける。
そして、それを目で追っていた を一瞥して一言。
「ついてこい」
そう言われて今、 らは六番隊詰め所を出て廊下を歩いている。
行き場所は告げられていない。
ついてこいと言われたので、ただ白哉の後ろをついて歩いているだけだ。
内容を聞いてないので、それくらいしかすることが出来ないのだ。
は、ふと白哉の背に目を向ける。
いつも傍らにいるのは 。
それも、ほとんど隣を歩いているので、その背を見ることはあまりない。
『六』と描かれた白い羽織を羽織った男にしては少し細めの大きな背。
何を思うでもなく、 は白哉の背を歩きながら静かに見ていた。
そして、次の瞬間目が合った。
「…………何か?」
は、思ったことを単刀直入に問うた。
白哉がいきなり立ち止まり、こちらに振り返ったのだ。
「……ここだ。」
言って、白哉は身体の方向を変えた。
もそちらに目だけ向ける。
そこにあったのは、またも扉だった。
今度は、大きく『五』と描いてあった。
六番隊は『六』だったから、ここはおそらく五番隊の詰め所なのだろう。
初仕事でここへとは、早速異動か? と は思う。
「 。兄の仕事は、副官の代わりだ」
「…………副隊長は、今どこに……」
「非番だ。だから、兄に命じておる」
「………新入りの私に副隊長の代わりを命じるのは………」
「副官でなくとも出来ることだ。問題あるまい」
一体、何をしろと言うのだ。
副官でなくても出来ること………やはり、異動か?
まぁ、それは入ればわかることだろう。
「何をしている」
同じ台詞をまた言われてしまった。
白哉を見れば、すでに扉は開かれていた。
早くしろ、と言うような目でこちらを見ている。
と言っても、それは の推測でしかないのだが……。
「すみません」
は一言そう言って、白哉の後ろにつく。
そして、五番隊詰め所へと入っていった。
詰め所に入って、白哉は迷わず足を奥へと進めた。
すると、目的の場所へ行き着く前に1人の死神と会った。
茶色の短髪に、黒い縁の眼鏡をかけた背の高い男の死神だ。
見た目から、穏和そうなイメージがある。
白い羽織を羽織っているところから、五番隊の隊長だということがわかる。
「すまないね、朽木。わざわざ来て貰って」
「大事な書類ということだ。仕方あるまい」
そうか、書類を貰いに来たのか。
ということは、私は荷物持ちということか?
そんなことを考えていると、五番隊隊長と目が合った。
五番隊隊長がこちらを見ていたというのが正しいのかも知れない。
「朽木。その子は?」
「………新入りだ」
「あぁ………例の?」
「そのようだな」
だから、例のとは一体何のことなのだ。
は眉を微妙にひそませる。
「初めまして。僕は五番隊隊長の藍染 惣右介。よろしく、 くん」
「……………名前…………」
「あぁ………ちょっと有名だからね、君と くんは」
も名前を知られている。
心当たりはないが、何かしただろうか。
「そんなに不安がることはないよ。悪い意味での有名じゃないから。少なくとも僕はそう思ってるよ」
「藍染」
白哉が静かに彼の名を呼ぶ。
「書類だね。忘れてなんかないよ。あっちだよ」
「 はここにいろ」
は頷く。
白哉は奥へ行く藍染の後について行ってしまった。
さて、どうしたものか。
ここにいろと言われたはいいが、いつ頃帰ってくるのだろうか。
立っているのには慣れているが、少し暇かもしれない。
1人でいると、どうも刀を握りたくなってくるな。
「ん? 知らん女の子があるなぁ……」
途端に声がした。
が思うに、軽そうな声だ。
後ろを向くといきなり男の顔がアップで目に映った。
ここで飛び退いたりするのが普通だが、生憎 はそんな反応はしなかった。
平然とその男の顔を見ていた。
「何や、リアクション薄いなぁ………」
言って、その男は顔を離す。
見ればそいつは銀髪で、狐のような顔をしていた。
「ボク、市丸 ギンって言うねん。よろしゅう。君、名前なんて言うん?」
「………… ………… 」
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あとがき
兄様が沢山出せて嬉しい。でも、絡みないですね、あんまし。
ていうか、出しちゃった……市丸;
ここで言いますと、時間軸は恋次たちが死神になる前です。
なので、市丸は五番隊の副官なんですね〜。