四話 ――――――――――――――― 「十三番隊だから…………一番端か?」 屋根の上を移動しつつが言った。 は元々高いところが好きなので、屋根の上を移動することが多い。 こちらの方が人と出会い憎いし、障害物も少ないためスムーズに進むことが出来る。 「どこら辺にいるのか分からないのが、難点だな………」 一度来たことのある場所ならば何となく分かるのだが、ここは初めてだ。 なので、勘で行くしかない。 ―――――何だ……………迷子か? 途端に声が聞こえた。 それは普通の声でなく、頭に直接響くような特別な声。 の知っている、にしか聞こえない声。 「……………………葦鬼……」 ―――――迷子とは…………… 「………らしくない」 瞬時にそれは、他の者でも聞こえるものとなった。 それと同時に1人の青年が姿を現した。 淡い金の髪に濃い緑の瞳で、優しげな風貌をした青年。 髪は前髪は右側だけ長く、右目を隠している。 後ろは首元で一つに結われ、背の半ば辺りまで垂れている。 背は高く、180後半辺りに見える。 黒い死覇装のような上着をゆったりと来ていて、両腕を袖に通さず服の中で組んでいる。 下は袴ではなく、スラリとした白いズボンのようなものだった。 彼の名は葦鬼。 この の斬魄刀である。 「意味もなく出てくるなと言っているだろう」 「主人がお困りかと思ってな」 「困ってなどいない。余計なお世話だ」 は顔をしかめ、葦鬼を上目遣いで睨む。 葦鬼は動じた様子もなく笑みを浮かべている。 「ちなみに言っておくと、この下は十二番隊詰め所だ」 「……………………何?」 何故、そんなことが分かるのかと言う目でが葦鬼を見る。 葦鬼はあまり関わりたくないと言いたげな表情をして言う。 「ここの隊長の気配はどうも好かなくてな…………直ぐに感じ取ってしまう」 「………会ったことあったか?」 「お前は気付いてないようだったが、たまに離れていたが見かけたことがある。 理由はわからないが、俺は好きではない、な」 葦鬼がこんなことを言うのは珍しい。 よほどの人物なのだろうか。 その十二番隊隊長と言うのは。 「道的には間違っていない。十三番隊はもう少し先だな」 「…………………お前はそれだけを言うために?」 「主人思いの斬魄刀だろう?」 「おせっかいな斬魄刀だと私は思うが?」 「酷い言われようだ…………」 「煩い。さっさと消えろ。その姿でいると目立つ」 葦鬼は、苦笑しながら息を吐く。 確かに長身の葦鬼は目立つ。 「御心のままに」 言って葦鬼は忽然と姿を消す。 消える、と言っても本体の斬魄刀はの腰に装備されているのだが……… たまに意味もなく出てくるのが、悪い癖だ。 「急ぐか………」 そう言って、は再び走り出した。 「失礼します」 がいるのは、十三番隊詰め所。 扉に大きく『十三』と描いてあったので間違いないだろう。 「隊長―。六番隊から遣いが来てますよ」 そう言ったのは、黒髪のパサパサした短髪の青年。 特徴と言えば下睫、だろうか。 人の良さそうな人だ。 副官章を付けているから、十三番隊の副隊長だと思われる。 「六番隊? 白哉のとこから?」 応じたのは、長い銀髪の男。 この副隊長と揃って人の良さそうな人だな、と蕎氷は思う。 さわやか、と言う言葉が似合っている。 白い羽織を身につけているので、この男が十三番隊隊長だろう。 「書類を………」 「わかった! 君が新入りの子か! 初めて見る顔だからな。 気配も他のやつと違うし………俺は十三番隊隊長の浮竹 十四郎だ。よろしくな」 「……は、はぁ………」 どう返答すればいいのか困り、は曖昧な返事をする。 もともとコミュニケーションが苦手なは、上手く会話を成立させることが困難なことでもあるのだ。 すると、もう1人の男を指さして浮竹は言った。 「で、そっちが副隊長の志波 海燕」 「よろしく」 海燕は、にこりと笑う。 それを見てはぎこちなく頭を下げる。 嫌い、と言うわけではないが少し苦手かもしれないとは思った。 「え〜………それで?」 「書類を持って参りました」 は、そう言って浮竹に書類を渡す。 浮竹は黙ってそれに目を通す。 その間、は海燕と共に大人しく待っていた。 「…………ふむ………問題ないな」 言って浮竹は書類を机でトントンと揃える。 「では、私はこれで…………」 「あぁ〜…………えぇっと………、だっけか?」 呼ばれては振り返る。 問題ないと言われたので、もう帰っていいものかと思っていたのだが、違ったのだろうか。 「何でしょう?」 「もしかして、これで上がりだったか?」 「上がって良いと言われていますが…………何か?」 浮竹は、少し申し訳なさそうに笑ってみせる。 はそれに何となく嫌な予感がし、密かに眉を寄せる。 「悪いんだけど…………この書類、白哉に渡しといて貰えるか?」 ――――――――――――――― あとがき 振り出しに戻る、と(ぉい 葦鬼(斬魄刀)出せましたvv 出したかったんですよ、彼〜! 浮竹&海燕も出せました。ここんとこは本誌読んでないとわからないかもですね; 次辺りにでも、ヒロイン2のほうを出したいと思う