六話
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…………ズキ…………






たまにこの痛みで眠りから覚める。

は布団に横になっていた身体をゆっくりと起こす。

片手で右肩を抑え、顔を歪めている。



普段は何ともないのだが、ごくたまに背からじわじわと焼けるような痛みが走る。

額から汗が滲み出る。



「学院なら何とかなったが…………………仕事に支障をきたしてはまずい、な………」



言っては片腕を支えにして起きあがった。

この痛みがくるとき、意識が朦朧とする。



「………………っ……」



不意にの身体がぐらりと傾く。






――――――が、身体は地につくことはなかった。







自分以外の別の体温を感じた。

自分を支えてくれている。





「………………………葦鬼………」





己の斬魄刀の本体。

ゆっくりと上を見上げると、濃緑の瞳が心配げにこちらを見下ろしていた。



「………………大事ないか?」


「あぁ…………すまない………」



はそれを押しのけ、死覇装に着替えようとするが、葦鬼がそれを許さなかった。

は眉を寄せ葦鬼を見る。



「離せ」


「今日は……………休め、」


「なっ…………」



目を見開き葦鬼を見ると、彼は真剣な顔をしていた。

いつもの穏やかな顔ではなかった。



「ふざけるな…………入隊したばかりで休めるわけ………」





「ふざけているのは、お前の方だ」





「……………葦鬼………?」



前にこの傷が痛んだのは葦鬼が具象化できなかったとき。

名前は聞き出せていた。

会話も出来た。


こんな真剣な顔をして………どうしたというのか。



「こんなに熱っぽい顔をしてよく言う」



そう言うと葦鬼はをひょいと抱き上げる。

ぎょっとしては葦鬼を見た。



「な、何をするっ…………降ろせ!」


「悪いが今日は聞けないな。大人しくしていろ」


「お前に指図されるいわれはないっ、私は詰め所へ………」



葦鬼は一つ息を吐いた。

頑固な主だ、と。

しかし、それは聞くことはできない。

葦鬼には主の身体の安全が第一だからだ。



「……………お前の主は私だ!!」


「分かっている。だからこそだ」



言って葦鬼はの身を再び布団に戻す。



「じゃあ、状態が悪化したら戻る。それでいいだろう!!」



意地でも行く気でいた。

真面目なのは良いことだとは思うが、こういうときには邪魔でならない。

葦鬼はしみじみとそう感じた。



「………………二言はないな」


「あぁ」


「違えれば、俺はどんな手を使ってもお前をここへ戻すぞ」


「わかった…………それで良い」



葦鬼は大量に息を吐き出す。





世話の焼ける…………





はテキパキと死覇装に着替えていく。

サラシを巻いているので葦鬼などお構いなしだ。

それもどうか、と葦鬼はいつも思う。



そして、ふいに目に入ったものを見て、葦鬼は目を細める。




右肩より流れる傷跡。

それは、右肩から背へとサラシの中へ続いている。

一体どこでつけてきたのか葦鬼は知らない。

斬魄刀として初めて会ったそのときからこの傷跡はの背に刻み込まれていた。

これはですらも知らされていないことだ。

触れて欲しくないらしい。

だから、故意的に聞き出すことはしなかった。






「……………葦鬼」






名を呼ばれて、葦鬼は自分の意識が違うところにいっていたことに気付く。

見ればはすでに支度を終えていた。

斬魄刀もしっかりと帯刀されていた。



「どうした?」


「いや、考え事だ」


「言っておくが、具象化してついて来るなよ」


「そのくらい承知している。心配するな」



それを最後に葦鬼は姿を消した。

いくら心配と言えど、連れて歩くわけにはいかない。

かえって目立つし、後々面倒そうだ。




「今日は早く切り上げられるようにしないとな…………」



はそう呟き、宿舎を後にした。


















六番隊詰め所



入隊して数週間が経ち、書類も少しずつ任せられるようになった。

は自分の机につき、与えられた書類をパラ見する。



「このくらいなら………大丈夫……だな」



言っては筆を手に取り、書類に文字を書き込み始めた。

流魂街にいた頃は文字など必要なかったので、学び始めたのは学院に入ってからだ。

暗記力もあったのでそう苦労はしなかった。

反面、は結構苦労していたようだったが………。




書類があと数枚、というところでピピピピ……と伝令神機の呼び出し音が鳴った。

は顔をしかめ、伝令神機を取り出す。



「虚……………何もこんなときに出なくてもいいだろう……………」



は舌打ちしたい気分になった。

自分の担当区域に出るとなると、放っておくことはできないのでは仕方なく筆を置く。

すぐさま立ち上がり詰め所を出ていく。

地獄蝶を連れて行くのを忘れずに。




「…………っ………………」



額を抑えると、葦鬼から波動が伝わってくる。





「……平気だ…………早めに片づける」





は葦鬼を抜き、前に掲げるようにする。

そんなにしたことはないのだが、やり方は知っている。





「解錠」





すると、障子の扉が現れる。

は地獄蝶を放し、迷わずその中へと入っていった。


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あとがき

夢要素ねぇーー!!!!
キャラ全然出てこなかった!!
あえて言うなら斬魄刀? でも葦鬼好いてくれてる人いるんだろうか……
あぁ、ちょっとでも兄様出せばよかった;;