七話 ――――――――――――――― 尸魂界と現世を繋ぐ扉が閉まる。 現世へ来たが立っているのは、人様の家の屋根の上。 この方が広範囲を見渡すことが出来るからだ。 「出現地は………公園…………」 は辺りを見回し、目的地を探す。 が、それはすぐに見つかった。 「あそこ、か」 言って、は地を蹴る。 屋根伝いに素早く移動し、即座に目的地についた。 公園の広さは至って普通。 狭すぎず、広すぎず。 としては出来るだけ広いほうがよかった。 他の者がきても、ある程度離れて戦えるからだ。 「………誰もいないなら、同じだがな………」 今日には伝令神機を取り出し、時刻を確認する。 虚が出現するのは今より30秒後。 の手は、斬魄刀へと伸びる。 いつでも抜刀出来るように手を添え、虚の出現を待つ。 ………………5………4………3…………2………1… オオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォッッッッッ!!!!!!!! 「来たか」 は斬魄刀を抜き、戦闘態勢に入る。 虚は都合良く、人の来なさそうな奥のほうに出現してくれた。 力量は少し高め。 だが、の力をもってすれば、倒せない相手ではない。 『死神………………キヒヒヒヒヒィ……喰らってやる、喰らってやるゥ!!!!』 「…………下衆が」 虚の叫びにも動じず、は地を蹴った。 虚との一気に間合いを詰め、斬りつけるため高く跳躍する。 斬魄刀は解放していない。 解放するまでもない、と判断したのだろう。 『ヒャッハァー!!!!! 向こうから飛び込んできたァ!!!!!』 すると、虚の背がバカッと大きく開き、そこから太めの刃が無数に飛んできた。 「なっ………?!!!」 これは予想外だ。 だが、防げぬものではない。 『裂けよ、葦鬼』 その言霊と共に斬魄刀は変化し、言葉通り裂け、二本の刀となった。 それを器用に使い、は零すことなく刃を斬り払っていく。 「飛び道具か………面倒な………」 言って、は一度地に降り立った。 ――――上が駄目なら、下か…… は再び敵に向かっていく。 今度は下を攻める。 ――――懐に入り、一気に両断してしまえば良い。 『キヒヒヒ……出てくるのはあそこだけだと思ったかァ?』 「?!!」 今度は足の上のほうがバカリッと開き、刃が飛んでくる。 こいつはロボットか何かか、と思いながら刃の攻撃を防ぐべく、斬魄刀を構える。 ―――――――――ズキンッ……… 「…………っぁ…………!!」 右肩の傷が急に痛み出す。 先ほどまで治まっていたと思っていたのに。 まったく持って今日はとことん運が悪い。 虚はそのの異変を見逃さなかった。 動きが鈍ったその瞬間を。 刃の攻撃を防ごうと斬魄刀を振り上げる。 ギンギンギンギンッ 素早い動きで刃を振り払う。 だが、これにはかなり無理をしていた。 右腕を使うごとに肩の痛みが悪化しているのだ。 すると、今度は虚が高く跳躍する。 はその虚が頭を低くして飛んだ意図を読んだ。 『キヒヒヒヒヒヒヒィッ!!! くたばりなァ!!!!!!』 ザザザザザザザザザザザザザザッ 「………くっ………」 案の定だ。 背をこちらへ向け、背からも刃を飛ばしてきた。 上空から刃の雨が降り注ぐ。 それにも対抗しようとするが………… ――――ズキィッ 「……………っっ!!!!……………く、そっっ!!!!!!!」 激痛が右肩から腕に流れるように走る。 そのため思わず、斬魄刀を片方落としてしまった。 「しまっ……」 だが、拾う時間などない。 は覚悟を決め、虚を見上げ左手で斬魄刀を自分の前に構える。 ―――――急所を外していれば問題ない。 は虚に向かい飛ぶ。 刃は無数。 それを蹴り、虚に近づいていく。 腕や足に刃がかすったり、刺さったりしているがお構いなしだ。 『な、何ィ?!!』 「舐めるな!!! くたばるのは………貴様の方だ!!!!!!!」 「…………はぁ………はぁ……………」 その場にいるのは、だけだ。 地に膝を付いて、右肩を抑えている。 斬魄刀は傍らに転がっていた。 虚はいない。 倒したのだ。 刃の攻撃を受けつつ、虚の仮面を一気に両断した。 そのおかげで、死覇装はボロボロだったりするのだが……。 『……………………』 肩で息をしながら、は声のした方を見る。 そこにあるのは斬魄刀。 「………分かっている……………すぐに戻る」 言って、は斬魄刀を持ち、掲げる。 もちろん左腕で、だ。 「…………解、錠……」 尸魂界 今、がいるのは四番隊・綜合救護詰所。 六番隊に一度戻った後、ここへ来たのだ。 その有様と言ったら、穏やかなものではなかった。 死覇装は袖が所々切れていて、いろんなところに傷跡があった。 酷いところからは血が漏れていた。 そして、白哉に「行ってこい」と一言言われ、今に至る。 は、椅子に大人しく座っていた。 治療が終わったところで、死覇装を着直していた。 そして、と対になって座っているのは卯ノ花 烈。 この四番隊の隊長だ。 何故一隊員のに卯ノ花が付いているのか。 その理由は直ぐに分かる。 卯ノ花は真剣な顔つきでを見ていた。 のほうは死覇装を着終えたようだ。 「さん」 呼ばれては顔を上げる。 「先ほどの怪我はすべて治療を終えました」 「はい……ありがとうございました」 そう言って、席を立つとの腕を卯ノ花が掴んだ。 は怪訝な顔をして卯ノ花を見下ろす。 「……………まだ、何か?」 ――――――――――――――― あとがき ちょっと長め。 戦闘シーン………何度書いても苦手です。 まぁ、夢文では初めての戦闘シーンなんですけど…… 字体とか何げに変えてみました!