八話 ――――――――――――――― は卯ノ花を見る。 そして、卯ノ花もから視線を外そうとはしなかった。 「治療は終えましたが………………それは、今回あなたが負って来たものだけです」 「…………………何が仰りたいのですか」 卯ノ花の表情は本当に真剣そのもの。 の手を解放し、卯ノ花は続ける。 「あなたの背の傷跡……………………あれは一体どうしたのですか?」 は眉をひそめる。 聞かれると思っていた。 だから、治療に来るのは気が向かなかった。 隊長命令ということでここに来たのだ、仕方なく。 「以前から………あったものですね? それも傷を負ったのは、随分と前のはず……」 何が言いたいのだ、一体。 「しかし、傷跡は薄れることなく、今でも鮮明に残っている…………」 は無言で卯ノ花の話を聞いている。 「あの傷……………………………虚がつけたもの………」 「知ってます」 言って、は部屋を出ていこうとする。 卯ノ花は、名を呼んでを引き止めようとするがそれは叶わなかった。 は足だけ止め、卯ノ花を見ずに言った。 「この傷見た目だけですので、ご心配はいりません。治療ありがとうございました」 「さっ………」 卯ノ花は再び呼ぶが、は立ち止まることなく出て行ってしまった。 「さん!!」 「そのことには触れるなってことじゃないのか?」 その声と共に、と入れ違いで現れたのは浮竹。 両腕を袖の中に隠し、前で腕を組んでいる。 「浮竹さん………………彼女と知り合いなんですか?」 「ん? まぁ、知ってる。白哉んとこの子だよ。この前書類を持ってきたときに会ったんだけど……」 浮竹は苦笑しながらの出ていったほうを見る。 「下手に深く覗こうとすると、斬られるぞ」 「…………………しかし……放ってはおけません……」 「何かあるのか?」 「虚によって付けられた傷…………………有害なものだとしたら……」 「………………それは危険だな」 そこで卯ノ花は、ふと思った。 「ところで………今日は何の用ですか?」 「あ、そうだった…………薬貰えるか? 切らしちゃったみたいでさ」 重い足取りで詰め所へ戻ろうとすると、声が聞こえた。 この声は落ち着く。 「だいじょーぶ、俺が守るよ」 いつも、傍にいてくれた声だ。 「ずーっと、一緒にいような」 「!!!!」 ドタドタと荒ただしい足音と共にやってきたのは1人の少女。 長い薄茶の髪を揺らしながらのもとへ駆け寄ってくる。 駆け寄ってきたはガッとの両肩を掴んで迫ってきた。 「!! 怪我したんだって?!! 大丈夫かよ?!!!!!」 「……………痛い……」 肩は傷跡のある場所。 その傷を思いっきり掴まれたので痛くないわけがない。 が顔を歪めたのを見て、は慌てて肩から手を放した。 「ご、ごめん、痛かったか?」 「いや、平気………………ところで、、どうして………」 「さっき六番隊の詰め所の前通ったら耳に入っちまったんだよ。大丈夫だったか?」 は心配げにを見ている。 それには、頷いて応える。 「大丈夫。傷も治して貰えたし…………死覇装は………仕方ない」 「俺ホントに心配したんだぜ? 四番隊に行ったっていうから、どんな大怪我したのかと……………」 はの左肩に頭を軽く乗せ、深く息を吐いた。 「すっげーー………………心配した」 は軽く目を見開くが、すぐにいつもの目に戻る。 と違い、短い息を吐いて言う。 「……大げさすぎ。私はそんなに柔じゃないつもりだが」 「分かってるけど、さ…………でも、心配なもんは心配なんだよ」 言って、は頭をから離す。 ポン、と頭を一度叩いては笑う。 「次、こんなこと有ったら呼べよなー。んとこだったら、すぐ駆けつけるからさ」 「でも、ホントに危ないときは呼ばない」 「は…………?…何で?」 「そんなことしたら、も危ないだろう。大丈夫、私も強くなる」 は苦笑しつつ、息を吐く。 「ま、程々に、な」 「…………そうだ…………、私………明日非番なんだが………」 「え、マジ? 早くねぇ?」 「あぁ、私もそう思ったが………………そうらしい」 う〜ん、とは片手を顎に持っていく。 それをは静かに見ていた。 すると、はに向けて、人差し指を出す。 「じゃあさぁ、明日、虚出たら一緒に行こうぜ! 非番なら暇だろ?」 明日は、退屈しないですみそうだ。 ――――――――――――――― あとがき あぁ……ホント夢要素ないよなぁ…… ごめんなさい! でもでも、次にいろいろ出すから!!! 出すから許してくださいませ!!!(ぇ