十二話
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たちの元から離れ、はただ1人、虚を追っていた。

虚は翼を使い、空を飛んでいる。

スピードもあり、高さもありで今の状態ではには太刀を浴びせることが困難である。




は面倒だ、と眉を顰めながら口を開き、呟くように言った。







『裂けよ、葦鬼』







言った途端に、の持つ斬魄刀は1本から2本の刀へと変形した。

その二本の刀を持ち、再び虚に目を向けつつは走り出す。




「このような使い方は初めてだが……、仕方ない…」




言って、は目を細め、虚に狙いを定める。

そして……、刀を持った片腕を大きく振りかざし、勢いよくそれを投げつけた。









ドッ……









鈍い音を立てて、見事、刀は虚の背に命中した。

命中したのは翼の付け根で、片方の翼が胴体から離れる。





グラリ…、と虚の体はよろめき、高度が落ちる。

はそれを見逃すことなく素早く地を蹴る。

そして、もう片方の刀を一閃させ、残ったほうの翼も斬り落とす。




「…、これで空には逃げれまい」




ぽつりと呟き、はさらに次の手に出る。

瞬時に虚の元へ行き、刀を振り上げる。






そして、落ちていく虚の四肢を器用に斬り落としていく。

風を斬るように、美しい線を描きながら。

まるで舞っているかのように。




『グ、……ぁ……っ…!!!』




虚が呻き声を上げつつ、地に落ちる。

その胴体の上には舞い降り、素早く刀の刃を虚の目の前に突きだした。




虚は頭を斬らぬ限り、尸魂界又は地獄に送られることはない。

ならば、頭を斬らぬ限りここから消えることはない。

四肢を斬り落とし、身動きを取れぬようにすればいいのだ、とは考えたのだ。




『…、キサ…マ……』


「先ほどのこと、何故貴様が知っている」




はその深い蒼の瞳で氷の如く虚を射抜くかのように見下ろす。

何の色もない絶対零度。




『…こうすれば、言うと思ったか…?』


「吐いて貰う」


『ハッ…それは大層な自信だなァ』




クツクツと四肢のない虚は、小さく笑った。


は内心、らしくもなく焦っていた。

捕らえたものの、どうやって聞き出せば良いのか。



そう長く思い詰めているつもりはなかった。

が、時とは早くも去ってしまうもの。

気付けば自分の視界が薄暗くなっていた。







これは、――――影。









「―――!!!!!」









目で捕らえたときには虚はすでに目の前。

鋭く研ぎ澄まされたナイフ状の腕が今にもの胴体をカッ斬ろうとしていた。




焦りが先に走り、肝心な所が抜けていた。

虚に気を取られ、もう1体、虚が背後まで迫っていたことに気付かなかった。










これは、完全なる――――失態。



































「あー、暴れた暴れた」




は満足げに刀を鞘に収めた。

こちらでは戦闘は終了したようだ。









「さすがやなァ」









言いつつ市丸がの近くに着地した。

彼も刀は鞘に収めていた。




「別に…そうでもないッスよ」




市丸に目を向け、は言った。

謙遜とこではなく、は思いっきり暴れるには、このくらいの相手が丁度良いと考えているのだ。




「それはそうと、市丸副隊長」


「ん?」


「にちょっかい出すの、止めてくれないですか」




は微妙に冷めたような目で市丸を見て言った。




「何や、ボクがあの子に後ろめたいことでもしてるような口振りやなァ。

 ボクは何もしとらへんよ。何を根拠に言っとるん?」


「俺、わかりますから」




の傍に1番長く居たのは自分。


のことは本人以外、自分が1番よく知っているから。




「が感情をさらけ出すなんて、滅多にない。それが理由」




離れていても少しの距離ならそれが空気に伝わって感じ取れる。

近くにいれば、ちょっとした表情の変化だってわかるつもりだ。




「へぇ…?」


「あいつはあんたを拒絶してる。……、何かしたら許さない」




敵を威圧するような目で睨む。

そのためか無意識に霊圧が漏れだしている。

市丸は大して動じた様子もなしに受け止めていた。




「何かって?」


「さぁ…。に何かしら危害を加えること…、かな。身体的にも精神的にも」


「―――で、許さへんて、どうするつもりやの?」


「その時の場合による。拳か、剣か。後者なら……・、覚悟しといてください」






この言葉に偽りはない。




一語一句、違えることはない。







「それは…、君んとこの隊長でもそうなん?六番隊隊長サンでも?」







は市丸から視線をはずし、地を蹴った。










「―――例外は、ない」








































「あ、帰って来たね」




少し離れたところにいた藍染が口を開く。

近くに院生たちもいる。



は藍染らの前にタンッと着地する。

遅れて市丸も地に降り立った。




「終わったようだね。じゃあ…、帰ろうか」




その言葉には反論する。




「な、……待ってください、がまだ…!」


「大丈夫だよ」


「………え、…?」




何故そんなことが言えるのだろうか。

藍染を見れば、無事以外ありえない、というような表情をしている。

何の根拠があってそんなことを言うのか。




「それってどういう……」


「本当に大丈夫だよ。僕が保証しよう。向こうで会えるよ、必ず」




それに反論はできなかった。

それは自身よくわかっていなかった。

満ち足りた自信を疑う余地がなかったのかもしれない。




「だから、僕たちと帰ろう」


「……、はい…」




その答えに藍染は満足そうに微笑む。




「君たちも早く戻らねばね。先生方も心配してるだろう」


「は、はいっ!」




藍染は再び微笑む。





そして、尸魂界への扉を開いた。



































胴体は次の瞬間い2つに分裂してしまうものと思っていた。



しかし、どうだろうか。



胴体はまだ1つだった。





そのかわりか、自分のものとは違うものが増えていた。






の目の前には『六』の文字が描かれた白の生地。

白の長い布は黒髪とともに靡いていた。






まさか、と思った。




何故この人がここにいる。

人違いかと思ったが、あの人以外に連想できる人物はいなかった。








この霊圧はあの人のものだ。





間違いではなく、あの人自身。












「………朽木、…隊、長」







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あとがき


大分間が空きました。すみません!!!
何か1ヶ月1回更新ペースですか?(待て)

えーっと、ヒロイン2の戦闘終了。
ほとんどハショってます(爆)
なんというか、険悪ムード?市丸が悪役っぽいですね;;
ファンの方すみません。
兄様もやっと出せました。10話近く出てないですよね?
六番隊夢なのにね……;